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「すべてのことがまっ平らになってゆく」

近江八幡市の古い町屋の奥を抜けると、中庭から突然何もない空き地になった敷地。
改築前の家主にお借りし、そこの土を耕し、ひまわり畑を作ることからはじまりました。
芽を出し、背丈を超えて伸び、花が咲き、枯れて 朽ちるまでの移り変わりの中で、
描いた絵画と共にすべてのことが土に埋もれようとしてゆく風景を見ました。
この年は、関西を何度も襲った大型台風と異常な猛暑で、たくましいひまわりでさえも翻弄されました。
日照りで 発芽も困難を強いられようやく成長した頃に、度々台風でなぎ倒され、
文字通りの泥だらけ、雨を欲し、開花後には長雨に打たれる日々でした。
それが農家の方の日常であるけれど、この作業を通して多くの気づきを得ました。
土に触れていようとも、決して触れることのできない移り行く循環の中で、
消えてゆくものによって成り立つ世界の事を考えました。
やがて、立ち枯れるひまわりの後に咲くコスモスや、人の歩みで踏み固められた道、その所々に土に埋もれた絵画の中の人や風景。
それらを、虚しく過ぎてゆくこの時間と重ねて眺めました。 すべてのことがまっ平らになってゆく。